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住人十色 3

町家で現代アート

笛木氏・高橋氏

借家で近年、大家さんの了承を得て住民が大がかりに改装するケースが現れてきたが、実は京都独特の現象だという。

相国寺のおひざ元にある昭和初期の木造住宅では、2人のアーティストの卵が、住居兼アトリエにしようと全面改装の真っ最中だった。

「去年の5月から始めたんですが」と、立体造形を手がける高橋晋平さん(25)と、版画の笛木大智さん(24)。やっと2階で部屋の仕切りを取り付け始めたところだ。

「やってみると、そんなに簡単ではなかった」サイズの大きな作品でも制作出来る広い場所がほしかった。それで、のべ約92平方メートルの広さがある元アパートを、アトリエ探しでは芸術家の間で知られる不動産会社ルームマーケットを通じて格安で借り、改装に着手した。

ところがほどなく、作業が思った以上に困難であることに気づいた。居室にする2階の床が傾いていた。「柱と梁の継ぎ目が朽ちている個所もあった」と笛木さんもたじろく。「でも最初に壁や仕切りを取っ払った時点で、後には引けなくなった」と高橋さん。

1階の「アトリエ予定地」は、廃材や古畳で埋め尽くされたまま。前に進むしかないのだった。とりあえず、2階の床を水平にする補強作業に労力を費やした。仕事を持つ2人は、日曜日しか作業出来ない。セルフ作業とはいえ材料、工具費は結構かかる。安全の為ガスもストップ。体力的にもギリギリの生活が続く。

だが頼もしい助っ人もいる。大学時代の友人たちが遠方から駆けつけてくれる。高橋さんも、友人が家を改装したときに手伝い、手順を学んだ。こうして友人関係を軸に助け合いのネットワークができつつある。

ようやく、春には2階部分完成のめどが立ってきた。「日常的に作品づくりができる環境が整う」と、期待をかけるアトリエづくりもいよいよだ。

日曜日、2階で作業中の苗木さん(左)と高橋さん(中央)。この日は名古屋から電気工事店の友人もかけつけてくれた。水平な床をつくるのに苦労したといい、建物の基本的な部分に労力を費やした。改装が完了した暁には、建築そのものも若返っているに違いない。
カセットケースを組み入れた高橋さんの造形作品。
苗木さんの版画作品。苗木さんはデザインも手がける。
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