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住人十色 5

創造拠点、増田屋ビル 上

重厚な外観の5階建てビルの中は、ギャラリー、異国情緒たっぷりのカフェ、インテリアの店、古書籍、NPOのボックス、SOHOのウェブデザイナー……。

五条通に面した「増田屋ビル」は、いつしか京のクリエーターが集まる拠点となった。1961年の完成。「当時は屋上から五山の送り火が一望できた」と家主の増田敏雄さん(71)は振り返る。

モダンな鉄筋アパートには、映画俳優や政治家の家族が住んでいたこともあったという。だが、市内にビルやマンションが林立するにつれ、設備の古い同ビルには空き部屋も目立つようになってきた。

そんなビルが再び活況を取り戻したのは、室内が改装出来、しかもそのまま次の借り手に引き継げるという自由さにひかれたクリエーターが集まってきたことだった。

建築家の奥一富さん(33)は99年、雑貨屋だった2階の一室を借りギャラリー「アンテナ」を開設した。すでに部屋の間仕切りは取り外されていたが、奥さんはさらに天井を取り払い、部屋全体を真っ白に塗り替えた。

建築界では、既存の建物をどう活かすかが大きなテーマとなっており、ギャラリーはいわば空間デザインの実験場。「展示者の空間の使い方が参考になる」と奥さんは話す。

時代を経た建物が持つ質感も魅力だ。ベトナムのインテリア・雑貨とカフェの店「Rejine(レジーン)」を営む片山清美さんは、「アジアの空気がある」とひと目ぼれ。ハノイのマンションの一室のような空間をつくりあげた。「そんなに手を加えていない。この建物の力です」と話す。

なぜ自由な改装が許されるのか。増田さんは入居希望者には必ず面接を行うという。「顔を合わせて話せばどんな人か分かる」。入居者との信頼関係があってこそ成り立っているといえる。

ギャラリー「アンテナ」では、灯りのアート展が開かれていた。もともと3部屋のアパートだった。代々の入居者によって仕切りが取り払われ、ギャラリーの開設にあたり、さらに天井が取り払われ、塗装された。賃貸住宅では退去時に現状復帰が課せられるのが通例だが、このビルでは改装したままの状態で、次の借り手に引き継がれている。
まるで、ハノイのマンションの一室のような店「Rejine」はベトナムのスタイルを提案。カフェもあり、くつろげる。
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