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住人十色 9

連棟町家で事務局&居住

建築グループ “神楽岡工作公司”

吉田山のふもと、静かな住宅街の一画から聞こえる若人たちの笑い声。築80年の2軒続きの木造家屋は、若き建築家や、庭園、数寄屋などを手がける職人らのグループ「神楽岡工作公司」の拠点となった。

1月からは空き家だった片方の1軒でメンバー4人が共同生活を開始し、さらに活気が増した。「実は居候に入られてしまったのです」と、借り主の庭師水谷馨さん(31)は、言う。

2階の3室に、水谷さんの同僚松崎大輔さん(29)、数寄屋大工の鈴木健太郎さん(27)、建築事務所で修行する外園高さん(26)が押しかけた。4人で割って払う5万円の家賃は、圧倒的に安い。ワンルーム暮らしでは縁がなかった町内会の一員として「秋の地区運動会で優勝を」と早くも意気込む。隣の事務所では、2階に住む京都大大学院生山田協太さん(27)や、近辺に住む「神楽岡」メンバーらの出入りが絶えず、まじめな勉強会から飲み会まで刺激に満ちている。

「神楽岡」は4年前、建築廃材を徹底利用して全面改装した町家プロジェクト「繭」(中京区)での出会いをきっかけに、職能を超えて横のつながりをつくろうと結成された。

現在、15ほどが名を連ねる。「京都では、文化財級の建物をさわれる職人が多いことが強み。横のネットワークをつくることで、設計や施工のあり方を変えていくことができれば」と、代表の神戸芸術工科大助手柳沢研さん(28)=上京区=は言う。

建築家、大工、庭師らが設計段階から協働しながら、施工ではそれぞれが自律的に動きつつ調和をはかる建築のあり方。職能はさまざまだが志を同じくする者たちが集うこの拠点は、かつて若き漫画家が集った「トキワ荘」のように、建築界に旋風を巻き起こすか。

「神楽岡工作公司」の拠点につどうメンバーたち、2階の床を取り去って吹き抜けにした。ここでは月1回の定例スライド上映会が行われるほか、日常的にメンバーの出入りが絶えない。いまギターが仲間の間でブームというが、唱和はせず、めいめいが弾くという。
居室の床を板に張り替える作業中。腕に覚えのある仲間らの協力が心強い。
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