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住人十色 19

建築家、元クリーニング工場に住む

田中氏・門脇氏

呼び鈴を押すと、ガラガラとシャッターが上がる家。門脇哲也さん(36)、田中千尋さん(35)が住むのは、床面積約90平方メートル、天井の高さはゆうに6メートル以上ある、元クリーニング店の工場。

だだっ広い倉庫建築に一室だけ、従業員の休憩室用に仕切られた部屋が用意されていた。工場が移転した今年の3月、この部屋を寝室に住み込み、2人で営む「カタチとチカラ1級建築士事務所』のオフィスを構える。

ホームページや雑誌をみて訪れる客は、要求する水準も高い。リフォームで多いのは「部屋を広くして」という要望だどいう。狭い部屋をたくさんというかつての「量」重視から、空間の質へと関心が高まっている。広い部屋に住んだのは、多分にそのためであった。

「設計はできても、その空間がどのようなものか、自分たちも実感として知らなければ」。お客さんには、たとえば50平方メートルのワンルームはどんな広さなのか、部屋を小分けするとどんな感じか、実際に体感してもらうことが可能だ。

「可能な限りワンルームの空間で住む」というテーマにも挑戦。バスタブも、大部屋の中に置いているが、着替えも入浴も丸見えだ。田中さんは「まあ、夫婦だからいいんですが……。友人を招いて、まだ入ってもらった人はいない」。近く、カーテンで覆う予定。

夏場、クーラー1台を設置したが、焼け石に水だった。暑さ、寒さ対策は課題だが、「そんな問題を超えて、圧倒的な空間の面白さが味わえるだけでも住む価値がある」と門脇さんは評する。

住みながら作り続けるのが今後の目標。寝室の上に2階をつくり、そこから空中にキャットウオークを渡して「上からも空間を眺めてみたい」(田中さん)と、構想は膨らむ。実業を兼ねた空間づくりの挑戦は続く。

高い天井の広い空間。門脇哲也さん(右)と田中千尋さんの事務所は、元クリーニング店の工場。書棚の奥には仕切られた寝室がある。トップライトがまぶしい。
部屋の中にあるバスタブ。「友達を呼んでも、風呂に入れない」といい、近くカーテンで覆う予定だ。
住居の外観。どうみても倉庫。木がひさしを突き抜けている。
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